LIP Learning2022年度のプログラムが終了しました!受講者は累計66名まで拡大

こんにちは。認定NPO法人Living in Peace(以下、LIP)難民プロジェクトです。

難民プロジェクトの主軸のひとつである、学習支援プログラムLIP-Learning(日本語教育機関と連携した、難民の方々への日本語学習支援)の22年度が無事終了いたしました。19年度に5名を対象としてスタートしたLIP-Learningは、22年度は23名・累計66名まで支援対象者を拡大することができました。 今年度で5年目を迎えるLIP-Learning。開始当初よりも着実に前進しております。 今回の記事にて、皆様にLIP-Learningの成果と現状をご報告いたします。

LIP Learning プログラムとは?

認定NPO法人Living in Peace(略称LIP)では、日本に在住する難民の方の生活・就労における自立を支援するプロジェクトに取り組んでいます。

難民プロジェクトが運営する「LIP-Learning」プログラムでは、日本での自立に欠かせない日本語の学習支援を行っています。日本語学校と提携を行って週二回の日本語授業を提供し、オンラインでの授業となるため日本全国に在住する難民の方が対象となります。

LIP Learning 2022年度の実施状況

LIP Learning 2022では23名の方が奨学生として選ばれ、そのうち18名の方が無事に卒業を果たしました(修了率78%)。慣れない異国での仕事・生活の合間を縫って週2回の授業参加・授業後の課題提出をやり遂げていただいたこと、LIP Learning チームとしても非常に嬉しく思います。

1年間の途中で日本語能力の上達が見られた方には、上級クラス作るなど受講生の要望に柔軟に対応した結果、終了者全体での課題提出率平均しては71%、出席率平均は80%となり、どちらも100%の完了率を達成した方もいます。真面目に授業に取り組んで頂いた結果、4名の方がJLPT(日本語能力試験)N3に合格、2名の方がN2に合格しました。

2024年1月14日・20日に卒業イベントを実施

プログラムの終了後には卒業イベントを実施し、学習した日本語をもとに生徒一人ひとりにプレゼンテーションを実施してもらいました。プレゼンテーションのお題は全くの自由でしたが、自国の文化や料理などについて発表してくださる生徒の方が多く、自国の文化に誇りを持つ姿に深く敬意を覚えました。

また卒業イベントには、日本語の授業を実際に提供してくださった日本語教育機関の先生方も参加してくださいました。先生方・Living in Peace のメンバーともに難民当事者の方の母国について深く知る貴重な機会となり、質疑応答などで大いに盛り上がりました。

シリア出身の生徒さんの発表では、シリアの代表的な料理の1つ「クッベ」について教えてくださいました。クッベとは球・玉を意味し、ブルグルと羊肉をすりつぶしたペーストを用いた料理の総称だそうです。

またアフガニスタン出身の生徒さんには、自国の文化や魅力について教えてもらいました。タリバンなど危険なイメージの強い国ですが、サフランやナッツなどの生産が盛んであることや、とても美しいブルーモスクについても紹介してくださり、情勢が安定した際にはぜひ訪れてみたく感じました。

授業を担当された日本語教育機関の先生より

「卒業イベントを毎年楽しみにさせていただいています。私たちにとっては教える側でなく、教えてもらう側になる貴重な機会でもあります。

日本にいる私たちがテレビのニュースなどで接することのない学習者の皆さんの母国の文化、食べ物についてなど、とても興味深い内容を知ることができます。ふだんの日本語の授業では、学習内容の他に皆さんの母国の現状や日々の日本での生活の様子などに注意が行き、なかなか皆さんの母国での平時の姿にまで想像が及びません。学習者の皆さんが主役となって、生き生きと発表をしている誇らしげな様子は、一人ひとりの本来の姿を知ることのできる大切な場です。」
TIJ思徳会 市川さゆり様(ご紹介ページ

LIP Learning 2023年度がスタート!

また2022年度プログラムの修了と入れ替わる形で、既に2023年度のプログラムがスタートしています。2023年度は2022年度から受講者の数をさらに増やし最終的に33名の方を支援することに決定しました!より多くの方への支援を提供するために、新たにNPO法人にわとりの会と連携を行い、生徒の日本語レベルに応じたクラスの振り分けを行っています。

また2022年度までのプログラムでは、自立において最も優先度の高い就労機会獲得を目指す方を優先的に対象としていましたが、結果として男性の受講者が大半を占めてしまうというジェンダーギャップに課題を感じていました。そのため2023年度のプログラムでは、生活向上のための社会統合を目指す方も奨学生の対象とすることで、約半数の方が女性の受講生となりました。

年を重ねるごとに規模も拡大し、その中で課題に感じることも増えておりますが、日本語教育機関との連携強化やさらなる運営メンバー拡充を通して、皆様からいただいたご支援を受講生の方へ最大限還元できるよう努めてまいります。

引き続きLIP-Learningのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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