第8回 おしごとリップ開催

私たちLiving in Peaceは、児童養護施設で生活する中学生から高校生の子どもたちに、世の中の様々な仕事を知ってもらう機会として、キャリア教育「おしごとリップ」を行っています。

関西おしごとリップ

1月14日(日)、第8回「おしごとリップ」を生駒学園で開催致しました。今回は7つの業界の中から「モノを販売・仲介する」業界についてです。その中から、ファッションに関わるお仕事についてLIPメンバーが講師となり、講義を実施しました。

長い間ファッションの世界で国内・海外を飛び回り、さまざまな仕事を体験されてきた講師が伝えたかったのは、【他人も自分も楽しくしてくれる魅力あるファッションの世界】。

まずは、「生活必需品である衣料品とファッションの違いとは」「商品が消費者の手元に辿り着くまでの流れ」「ファッション業界の代表的な職種について」などの話から、ファッションの仕事の全体像を交えて話してもらいます。有名ブランドのランウェイ動画なども流してもらい、斬新な世界観に釘付けになった様子でした。

ワークでは、【バイヤーのおしごと体験!】にチャレンジです。

いつも単品を買うお客さんが、セットで買いたくなるように、コーディネートを意識して買い付けすること!というミッションのもと、「夏におでかけしたくなるおしゃれコーディネート」というテーマでバイイング(買い付け)するという内容でした。

「菅田将暉のような個性的なファッションを扱うメンズショップ」「NiZiuのようなガーリーでポップなテイストを好むレディースショップ」という2つのお店から1つを自由に選択し、100万円の予算で買い付けに挑戦します。

そして同じお店を選択した子どもどうしでグループになり、アイテムやカラーの売れ筋予想データを見ながら、コーディネートを意識し、またお客さんの嗜好や季節を考えながら、30種類程の商品カードの中からお店に並べる商品を選びます。買い付けた商品は模造紙に並べ、お客さんが商品を購入したくなるような空間を作り上げてもらいます。最後に、各チームごとに買い付けのポイントや工夫、販売促進の為のアイデア等を発表してもらいました。

発表が終わると、良かった点や工夫されてる点について、各チームごとに講師からコメントをもらいます。子どもたちは、楽しみながら真剣に考えた店舗戦略に対してのフィードバックを、とても嬉しそうに聞いていました。

講義の最後は、講師からの熱いメッセージ。学生時代や海外、会社での気づきと学び、持ち続けてきた仕事へのマインドなどを話してもらいましたが、「好きを仕事にすること」についてのお話は、特に子どもたちの印象に残ったようでした。

<子どもたちの感想> ※一部抜粋

  • お店の人はお客さんに服を買ってもらうために様々な工夫をしている事がわかりました。今度お店の工夫を探してみようかなと思いました。
  • わたしも講師みたいに何事も経験値に変え、自分をしっかり持てたかっこいい人になりたいと思いました。
  • 自分のなりたい職業だったので、良い話が聞けてなりたい気持ちがより強くなった。自分の個性を大事にしたいと思った。
  • 好きを仕事にすることのメリットとデメリットを聞けて良かった。

東京おしごとリップ

東京での「おしごとリップ」は1月28日(日)に開催しました。参加者は、筑波愛児園様、クリスマス・ヴィレッジ様に所属する中高生11名です。

今回のテーマは「お金の教育」です。児童養護施設で暮らす子どもたちは、高校卒業と同時に施設からの退所を余儀なくされます。そのため、進学するにあたって生活費や卒業までの学費を自身で工面する必要があり、早い段階で収支バランスを身に着けることや、お金に関する知識を身に着けることが重要です。お金の知識を身につけることで、子どもたちがお金を上手に使い、自分らしく生きられるようにという願いを込めて、LIPの「お金の教育事業」のメンバーを講師に迎え、講義を行いました。

講義では、「お金のバランスについて考えよう」、「お金の危ない罠」、「お金に関する情報の見極め方」の3つをテーマに沿って進めました。

〇セクション1「お金のバランスについて考えよう」

当セクションでは、子どもたちが収入と支出のバランス感覚を身に着けることを目的とします。具体的には、子どもたちに実際の生活で『何にどのくらいのお金がかかるか』を説明し、さらに生活をする上で絶対に必要な費用に関する講義を実施。ワークでは、「一人暮らしで1か月にかかる生活費の収支バランスを考えよう」をテーマに、生活するうえでどのようにお金を使うのかを考えてもらい、日常生活における収支バランスの大切さを学んでもらいました。

〇セクション2 「お金の危ない罠」

当セクションでは、良い借金と悪い借金についての講義を実施し、リボ払いや借金に関するミニクイズを通して、安易な気持ちで借金をすると大変なことになるというケースを紹介します。また、金銭トラブルに遭遇した際の適切な相談先や、相談すべきタイミングについても提示し、困ったら早い段階で相談することについての大切さを実感してもらいました。

〇セクション3「 お金に関する情報の見極め方」

当セクションでは、子どもたちがお金にまつわるトラブルに巻き込まれないようにするため、お金に関するトラブル事例を紹介したうえで、情報の見極め方についての講義を実施します。ワークでは、「ネットオークション詐欺」の事例をベースとして、提示されたシチュエーションに対して、講義内で提示した情報の見極め方を基に、情報に対する評価をしてもらいました。このワークを通じて、情報を鵜呑みにせずに見極め、客観的に判断することの重要性が伝わったようでした。

<子どもたちの感想> ※一部抜粋

  • 現在17歳で、今年で18歳になり成人になるため、核心をついた内容で自分を守る知識を得るキッカケになりました。
  • LIPさんの実体験を聞けておもしろかった!
  • 来年から一人暮らしをするので、今日学んだことを忘れないよう復習しようと思います。
  • 今までお金の怖さというものを知らずにたくさん使っていたが、将来のためにコツコツ貯めることが大切で、悪い借金はしないように心がけて生活しようと思った!
  • お金の使い方は難しいので、将来1人暮らしをするときの参考にしようと思った。

皆様のご支援のおかげで、今回も無事におしごとリップのプログラムを実施することができました。心より感謝申し上げます。今後もLiving in Peaceは、子どもたちが健やかに成長し、未来に希望を抱けるようなキャリア教育プログラムを提供してまいります。

皆様方のお知り合いで、当団体の活動にご興味をお持ちくださる方がおられましたら、この記事を共有いただけると幸いです。今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

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