里親子をみんなで支えるために、私たちにできること!【イベントレポート】

11月26日(土)、11月の里親月間にちなんで、オンライントークイベントを開催しました。

イベント概要はこちら(告知サイト「Peatix」)

「地域と子どもと里親制度」をテーマに、里親制度の普及啓発や里親家庭の支援に携わる3者でのクロストークです!

登壇者(詳細プロフィールは記事文末)
・「社会福祉法人 東京育成園 フォスターホームサポートセンターともがき」副センター長 岩田祐一郎さん(以下、岩田)
・「特定非営利活動法人バディチーム」理事 濱田壮摩さん(以下、濱田)
・Living in Peace里親子支援事業チーム 永安祐大(以下、永安)

本記事では、トークセッションの様子を一部抜粋してお届けします!

▶︎「お弁当を作ってもらえた」

トークは3つのテーマをもとに展開! 最初のセッションは「私たちがなぜ今、里親制度について取り組むのか?」でした。

Living in Peaceが東京育成園と提携をはじめたのは、「地域」に着目したことがきっかけでした。

永安「Living in Peace内で予防的支援の重要性について議論があがり、そのためには行政だけでなく地域の力が大切なのでは?という話になりました。地域みんなで子育てをするという意味でも「里親制度」の普及啓発に取り組まなければ…と。」

また、現場で日々里子や里親さんとご一緒する岩田さんからは、こんなエピソードが。

岩田里親さんから、受け入れた子どもが『普通のことができてうれしい』と話していたと聞いたことがあります。お弁当を作ってもらえた、友達を家に招くことができた、と。やはり「家庭で育つ」ことが重要なんだと感じますね」

しかし、「里親さんにお任せすれば、すべてが上手くいく」わけではないと、里親さんへの訪問支援に取り組む濱田さんからコメントがあがります。濱田「(もともとは実親家庭への訪問支援を行なっていましたが)代表の岡田が都内の里親会の方とお話をしていた際に、里親家庭でも大変な思いをしているケースがあると聞き、実親家庭だけでなく、里親家庭への訪問支援の必要性も感じたのが活動のきっかけです。」

▶︎地域のサービスが使いづらい

では、そうした課題を解決するために、社会にはどのような変化が求められるのでしょうか?

続く「よりよい里親制度を実現するために必要なことは?」のセッションでは、国や社会に求めることが話題に。里親さんの声や、現場で感じる課題のお話がとても印象的でした。

岩田「たとえば子育て支援など地域のサービスが使いづらい…という里親さんの声があります。もちろん支援や制度は受けられます。でも理解が得られないのではないか…という不安があるようです。

また、里親になったのだから、人の手を借りずにやらなければ…と感じている人もいるようです。里親さんに支援サービスなどを紹介するときに感じます。」

濱田「それに、都道府県と市町村の連携が足りていない、と感じるときがありますね(里親登録は都道府県、支援サービスは市町村が管轄となっているケースが多い)。たとえば市区町村の役所の方などに、より里親制度や支援について共通理解を持ってもらえると、安心する里親さんも増えるのではないかと思います。いま世田谷区のように、東京都の各区で区が所管する児童相談所が次々とできています。そのなかでこの制度的な障壁も少しずつ解消されていかなければいけないし、私たちもそうした職員さんむけにお伝えをしていくこともやっていかなければいけないな、と思っています。

永安「そのためには予算も必要になるでしょう。そもそも、福祉機関の役割や仕事量がとても増えていますよね。ひとつの機関に全機能を集中させるとリクルートや普及啓発まで手が回らないように思います。予算は通常業務に対してつくので、それと別に新しいことをやる際はプラスで予算や人材をつけなければならないですよね。」

濱田「とても共感できます! 広報活動などはとくに難しい。外注するにしても大変だし、専門に出来る人がいないので…」

岩田「現場の声をもっと伝えていきたい、発信したい、という思いは強いのに……。でも広報広告について、一福祉機関としてそこに予算をつけるのは難しいですよね。」

▶︎「地域のみんなで子育て」のためにできるアクション

最後のセッションは「私たちができるアクション」。

里親になる!というのはハードルが高く感じる人も少なくないはず。でも、それ以外にも、今からできることが私たち全員にあります。

岩田「里親は特別な存在ではなく、普通の家庭として子どもを守ってくれているんですよね。当たり前のように私たちの周りにいることを意識してもらえたらと思います。」

濱田「たとえば里親さんが子育てコミュニティに入ろうとしても、出産の話題になると話に入りづらかったり、保育園の先生に説明しづらかったり…とお悩みの里親さんもいます。産みの親子が当たり前ではない、みんなで子育てしたら良いよねとなってほしいです。」

永安「これから地域の力で子育てをする状況が広がっていくと思うんです。いろんな形でみんなが子育てに関わる機会が増える。お互い助け合っていくなかで、多様なあり方があることを意識していきたいですよね。」

岩田「今日のイベントで知ったことを誰かに話してみるのも良いし、お声をかけていただければ企業さんなどで講演もできます。誰にでもできることがあると思います!」

岩田「アパレルブランドの受注会のような場で里親制度についてお話しさせていただいたこともあります。飲食店さんに講演の場所をお借りするのも良いかも。企業さんと連携して、里親の社員さんの育休利用をもっと推奨するなど、やれることは多いと思います。」

濱田「誰にでもいろんな力を使ってできることがありますよね。とにかく、アクションを起こしたいと思ったら連絡してほしいです!そこからできることを一緒に考えていきましょう!」

里親家庭が社会の中で当たり前の存在であること。

地域みんなで里親さんとその子どもたちを支えていくこと。

そして、一人でも多くの人が里親制度を理解し、支え合うこと。

イベントをご視聴いただいたみなさん、この記事を読んでくださっているみなさんからアクションを起こしていただけることを願っています。

ご協力いただいた東京育成園さま、バディチームさま、誠にありがとうございました。

アーカイブ動画

■参考リンク

世田谷の里親相談室 SETA-OYA(東京育成園フォスターホームサポートセンターともがき)

SETA-OYAは、里親と里親制度の普及を目的とし、世田谷区からフォスタリング業務委託を受けた社会福祉法人 東京育成園が運営しているホームページです

特定非営利活動法人バディチーム

バディチームは子育て支援・虐待防止を目的とした家庭訪問型の支援活動を行っています

■登壇者プロフィール(五十音順、敬称略)

岩田祐一郎(東京育成園)

神奈川県立保健福祉大学卒。社会福祉士、精神保健福祉士。 児童養護施設東京育成園のケアワーカーを経て、2013年より里親支援専門相談員として里親、里子に対する相談援助や、施設の児童の家庭支援を行う。2020年、世田谷区よりフォスタリング(里親養育包括支援)事業を受託し、「フォスターホームサポートセンター ともがき」を発足。副センター長として里親制度の周知/里親のなり手の開拓や、里親のための研修を行う。

永安祐大(認定NPO法人Living in Peace)

こどもプロジェクトメンバー。2017年よりプロボノとしてLiving in Peaceに参画。主に東京・世田谷区におけるフォスタリング機関構想、里親リクルート戦略策定などの支援活動に従事。本業では、日本酒×お茶のお酒「SAKE TEA」を展開するLUDENS株式会社の代表を務める。

濱田壮摩(特定非営利活動法人バディチーム)

鹿児島県・奄美大島出身。2008年、東京大学在学中にバディチームへ参画。2013年に一度離職するも、紆余曲折を経て2019年より理事。虐待防止・里親家庭支援を目的に都内15の自治体から事業を受託して家庭訪問型の支援を行うバディチームにて、自治体や外部機関との協働に関わる折衝などを担当。このごろ好きな食べ物は豆苗。

仲間になる >
寄付する >