
2018年4月より創設者・慎泰俊の後任として中里晋三とともに代表理事を務めてきた龔軼群が、任期満了に伴い、本人の意向により再任(重任)は行わず、2025年10月31日をもって代表理事を退任いたしました。2025年11月1日からは、正会員総会および理事会の決議を経て宮本麻由が代表理事に就任し、5名の理事からなる新体制でLiving in Peaceの運営をリードしています。
代表理事のバトンを受け渡した2人が、変わらずに受け継ぐ想いとこの先の進化について語り合いました。
※ 本記事は2026年3月に発刊されたLiving in Peaceの『アニュアルレポート2025』からの抜粋記事です。アニュアルレポートはHPより全文をお読みいただけます。
成長とともに組織基盤を整備
宮本:龔さんがLiving in Peaceに入会してから10年、一番変わったと思うことは何ですか?
龔:私が入会したのは団体結成から8年ほど経った頃でしたが、まだ規模は小さく、入会するメンバーも知り合いから話を聞いた、創設者の慎さんの著書を読んだといったことがきっかけで、Living in Peaceを知る機会は限られていました。マイクロファイナンスプロジェクトとこどもプロジェクトはそれぞれ別々に活動していて、共通のバックオフィス機能もなかった。今では広報や経理、人事など団体としてのバックオフィス機能が確立され、プロジェクト間で連携した活動も生まれてきています。企業で言えばスタートアップから中堅規模に成長したところで、組織としての基盤がかなりしっかりしてきたと思います。
宮本:メンバーを広く募集するようになり、より多様なバックグラウンドを持つ人たちが集まるようになったことで、組織を安定的・効率的に運営していく必要性が出てきましたし、そのための仕組みづくりに携われる人も増えてきましたね。
龔:そうですね。ここまで成長した背景には、外的な環境の変化もあります。プロボノやボランティアに対する意識が高まったことや、コロナ禍でリモートワークが普及したことで、本業以外の時間を社会貢献に使ってみようという人が増えてきました。全員が本業を持つという性質上、私たちは設立当初からデジタルツールを活用し、オンラインでも参加できる形で活動していたので、そうしたニーズにフィットしていたのですよね。

2015年に入会、マイクロファイナンスプロジェクトで活動するとともに、難民プロジェクトを立ち上げ。理事を1年間務めた後、2018年4月から2025 年10月まで代表理事。本業は不動産ポータルサイト運営企業の事業責任者。
変わらない“青い炎”
宮本:一方で、組織が成長しても変わることのないLiving in Peaceらしさもあります。「社会のことも、私事に」というタグラインに表されているように、社会課題を自分ごととして捉え、解決に取り組もうという人たちが集まっていることは、私がこれからも大事にしていきたいと思っていることの1つです。
龔:私はよく、Living in Peaceのメンバーは“青い炎”の人たち、と形容するのですが、熱意や使命感で赤く燃え盛って突き進むというより、熱い想いを胸に持ちつつ、冷静かつロジカルに仕組みで課題解決に取り組む人たちが多いと感じています。だからこそ、課題の本質を見極めながら、本当に必要な支援、私たちならではの支援を常に考え、アップデートしていける。
宮本:確かに、ミッションステートメントでも示しているように、取りこぼされている課題に目を向け、団体外のさまざまなステークホルダーと連携しながら、より持続可能な仕組み、自走できる仕組みを築いていくためには、熱い想いとロジカルな思考の両方が大切ですね。
龔:メンバーが増えて多様になっても、根っこにあるものは共通しているので、組織としてのマインドセットは変わっていないように思います。
より多くの人が課題解決に携われる社会に
宮本:組織が大きくなり、タスクを安定して回せる仕組みが整ってきた反面、メンバー間の関係性が希薄になってしまうリスクは高まっているかもしれません。本業では出会えない仲間と出会い、議論し、課題意識を分かち合えることもLiving in Peaceの大きな魅力です。効率化を追求するあまり、そうした語り合いができるような余白を失わないようにしたいと考えています。

2020年に入会、難民プロジェクトの活動に加え、人事・経営企画などバックオフィスの体制づくりにも携わる。2021年10月から2年間理事を務め、2025年11月に代表理事に就任。本業は人材育成サービスの法人営業。
龔:やっぱり現場に行くことは大事ですよね。困難を抱えている当事者の方々と直接関わること、声を聞くことで、私たちが解決しなければならないことが何なのかを考えるヒントをたくさん得られるし、活動のモチベーションにもなります。
宮本:同時に、バックオフィスで長年活動してくれているメンバーがいるのもおもしろいところです。それぞれができることをやるーーいろいろな関わり方の選択肢があることで、より多くの人が本業以外の課題の解決にも携われる社会にできる。Living in Peaceをそうした場にしていきたいというのも、代表理事を務めるにあたっての想いです。
誰もがリーダーである組織
龔:Living in Peaceでは、メンバーの推薦に基づいて理事・代表理事を選出しています。つまり、選ばれる人たちはみんなから信頼されている人たち。Code of Conduct(P18参照)を体現していることも大前提です。宮本さんをはじめ、新理事となったメンバーもそうした基準で選出されましたが、今回の理事のみんなは宮本さんから見てどんな人たちですか。
宮本:スピード感と行動力がありますね。本業ではまだ若手という人もいますが、Living in Peaceらしく年齢や経験によらず、これからの組織を一緒に考えていける頼もしいリーダーたちです。
龔:私自身、理事や代表理事として、本業では得られないような貴重な経験や人とのつながりを持つことができて、人として大きく成長したと感じています。この体験を次世代にぜひしてもらいたいと思ったことが、代表理事を交代した理由の1つでした。
宮本:Living in Peaceは「誰もがリーダーである組織」であり、だからこそ代表や理事のバトンを引き継ぎながら活動を継続していくことができる。これは組織としての強さでもありますね。
龔:こうしてバトンを渡していきながら、次は20周年を祝いたいですね!
宮本:全員がプロボノで20年間活動し続けるというのはなかなかないことですよね。「さまざまな困難により可能性が制約されている人々も、等しくチャンスをつかめる社会を実現する」という目標を達成するまで、そのために続けるべきこと、やめるべきこと、新たに挑戦すべきことを見極めながら、受け取ったバトンを次へとつないでいきたいと想います。
<Living in Peaceのミッションステートメント>
目指すもの
さまざまな困難により可能性が制約されている人々も、等しくチャンスをつかめる社会を目指します。
取り組み方
既存の枠組みでは取りこぼされる社会課題を提起し、多様な経験や知識を持つ人々とともに、より効果的な解決の仕組みづくりに挑戦します。
<2025年11月からの理事体制>
代表理事:宮本 麻由(新任)
理事:大橋 彩香(重任)、宮成 静(新任)、安井 規泰(新任)、徳原 一希(新任)、角田 真理(新任)
-
【アニュアルレポート発刊記念対談】世代交代、その先へ――
2025年11月1日からは、宮本麻由が代表理事に就任し、5名の理事からなる新体制でLiving in Peaceの運営をリードしています。 代表理事のバトンを受け渡した2人が、変わらずに受け継ぐ想いとこの先の進化について語り合いました。 -
難民ルーツの学生の就活レポートvol.2-②
前回に引き続き、Lさんの就活レポートの記事です。今回の記事では就職活動を体験の全体的な感想を掲載しています。 -
難民ルーツの学生の就活レポートvol.2-①
2023年4月に就職したLさんに就職活動から内定までの体験談をインタビューしました。 -
難民ルーツの学生の就活レポートvol.1
-
Living in Peaceを支えるバックオフィスメンバーを紹介
Living in Peace マイクロファイナンスプロジェクトでは発展途上国の貧困層へ「金融アクセス」を通した支援に取り組んでいます。 -
LIPメンバーパネルディスカッションpart1
Living in Peaceの里親チームで活躍する、角田さんと中嶋さんにインタビューを行いました。プロボノとして活動する里親子支援はどのようなことを行っているのか、聞いてみました!

