実親子支援事業

親と一緒に暮らしたい。そう願う子どもたちに、実親のもとでの適切で十分な養育環境を提供することを目的として、Living in Peaceは2種類のアプローチから実親子の支援に取り組んでいます。

保護された子どもの半数は親元に帰りたがっている

社会的養護のもとで親と離れて生活している子どもは約4万5,000人。その多くは、親からの虐待(身体的虐待・心理的虐待・ネグレクトなど)を受け、保護された子どもたちです。

保護によって子どもたちの安全は確保できます。しかし、たとえ虐待を経験していたとしても、親を求め、家庭に戻ることを望んでいる子どもは少なくありません。辛い経験をしてもなお、関わりを絶つのではなく、親が変わってくれることを願っているのです。

出典:東京都における児童養護施設等出身者の実態調査2017(東京都)

また、虐待に至ってしまった親の多くは、自身がパートナーからのDV被害にあっていたり、子ども時代に性暴力や深刻ないじめ、虐待を受けていたなどの被害経験があることが、近年さまざまな研究から明らかになってきました。

虐待は決して、許されるものではありません。しかし、虐待の原因を親の「人間性」に帰すだけでは、問題は解決しないのです。

そこでLiving in Peaceは上記の課題を踏まえ、親と暮らすことを望む子どもたちに、その機会を提供すべく、「虐待予防」と「親子の再統合」の観点から2つの事業を行っています。

ChanceMakerギフト

虐待予防の観点からは、複合的な困難を抱えている家庭のひとつとして、母子生活支援施設(以下、母子施設)の退所家庭にギフトを届け、物的支援及び心理社会的支援に繋げる事業(Chance Makerギフト)を行っております。

母子施設は、深刻なDV被害や生活困窮、メンタル不調などの困難を抱えた母と子が、一緒に入所することができる唯一の児童福祉施設です。

全国に約230カ所あり、約3,330世帯の母子(子どもの数で5,000人以上)が入所し、生活しています(平成28年調査時点)。

しかし、残念ながら退所世帯の約4割が入所時の課題を解決出来ておらず、多くの困難を抱えたまま退所し、孤立する母子が少なくないのが現状です。更に昨今の新型コロナウイルス感染症拡大により、経済的困難や精神的孤立が深刻化していることが想定されます。

出典:母子福祉部会 紀要(平成29年度)

そこで私たちは母子施設を退所したお母さんとお子さんを対象に、負担軽減や孤立予防を目的としたギフト提供(宅食や家事代行サービスなど)を実施しております。

ギフトを受け取った方からの声
 
・サプライズで嬉しかった。届いた商品もとても良かった。
・選択肢が豊富でどれも助かるものばかりでした。
・クーピーペンシルのセットがとても良かったです。絵を描くのが好きな中学生の子供が大喜びしています。ありがとうございました。

ギフトお届け後に行ったアンケートでは、お母さん方から嬉しい声をいただくとともに、ご協力いただいた母子施設の職員の方からも、「入所時から施設を頼りにしているようには見えず、退所後も全く連絡を取っていなかったお母さんが、現在抱えている悩みについて初めて相談の連絡をくれた」などのエピソードを頂戴しています。

MY TREEペアレンツ・プログラム展開支援

もうひとつは、親子の再統合を目的とした「MY TREEペアレンツ・プログラム」の展開支援です。

このプログラムは、長年米国の児童虐待防止分野に携わってきた森田ゆりさんが2001年に開発した、虐待加害からの回復支援プログラムです。

虐待を「親自身が過去に人として尊重されなかった痛みや悲しみを怒りの形で子どもに爆発させている行動」と捉え、親たちの「セルフケア」と「問題解決力」を回復することで、虐待的言動を終止させることを目指しています。

私たちは同プログラムの本質的な視点に深く賛同し、全国のより多くの地域での実施が可能になるよう、広報支援やファンドレイズ支援を行っています。

2018年11月には「MY TREEペアレンツ・プログラム」の実施資金を集めるクラウドファンディングを実施。目標額の180万円を12日間で達成し、総額377万円、2グループ分の開催資金を集めることに成功しています。

クラウドファンディング実施にあたり行った記者会見の様子

また、2019年4月には、専門知識のあるメンバーが中心となり、一般社団法人MY TREEのホームぺージ制作を資金面および開発面で支援しています。

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