お金の教育事業

Living in Peaceは、社会的養護のもとに暮らす子どもたちが社会に出たあと、金銭面で困難に直面することがないように、子どもたちに向けた金融リテラシー教育を行っています。

進学しづらく、中退しやすい子どもたち

社会的養護下の子どもたちは、「進学しづらく、中退しやすい」状況におかれていると言われています。

たとえば児童養護施設出身者の高校卒業後の大学進学率は、全国平均「74.1%」に対して「30.1%」と、40%以上低くなっているのです。

進学率中退率
全国平均74.1%2.7%
児童養護施設出身者30.1%13.6%
出典:NPO法人ブリッジフォースマイル「全国児童養護施設調査2018社会的自立と支援に関する調査」, 文部科学省「学生の中途退学や休学等の状況について」(2014年9月)より

また、児童養護施設出身者については進学率だけでなく、中退率においても厳しい状況になっています。

大学の中退率は全国平均が「2.7%」と非常に低いのに対し、施設出身者の中退率は「13.6%」。施設出身者は全国平均と比較して、大学中退率が約6倍も高くなってしまっているという現状があるのです。

「お金のリテラシー」を身に着ける機会の不平等

では、なぜ中退率がそんなに高くなってしまうのでしょうか。そこには多くの要因が影響していますが、その中のひとつに「お金のリテラシー不足」があります。

Living in Peaceはこれまで、奨学金事業を中心として施設出身の子どもたちに対して資金面からの支援を行なってきました。そしてその中には、お金のリテラシーが足りないばかりに資金ショートを起こしてしまい、卒業までに必要な資金を用意できずに退学してしまう子どもが少なくありませんでした。

そもそも私たちは、「お金の使い方」をどこで学んだのでしょう。たとえば親から毎月のお小遣いを貰い、お小遣いの中でやりくりする方法を教わる、両親と一緒に買い物に行くなかで、上手な買い物方法や節約術を知る、など。そして施設の子どもたちには、こうした機会が圧倒的に不足しているのです。

家庭での「お金の教育」を受けずに育った子どもたちが、高校卒業と同時に施設を出て(18歳で施設を出なければならない)、バイトで生活費を賄いながら、毎月の家賃などを払いつつ、卒業まで資金ショートを起こさないようにマネープランを立てて暮らしていかなければならない。この難しさは想像に難くありません。

専門性を持ったメンバーによる「お金の教育講座」

そこでLiving in Peaceは、子どもたちの「お金のリテラシー不足」という課題を解決するために、2019年より「お金の教育事業」をスタートさせました。

お金の教育事業では、金融機関職員や弁護士など、高い専門性を持ったメンバーが「お金の教育講座」を実施するほか、進学を希望する高校生に資金プランのシミュレーションを提供しています。

講座は参加型のワークショップ形式で行い、「100万円あったら何に使う?」などの質問を子どもたちに投げかけ、「職業と収入の関係」「良い借金・悪い借金」「トラブル時の相談」などさまざまな角度からお金に関するテーマについて話し合います。

金融業界で働くメンバーが、本業の知識と経験を活かして子どもたちをサポート

児童養護施設の職員さんからは「施設で貯金の大切さなどは教えているが、深く掘り下げた話はなかなか難しく、それを補完できる機会になった」などの評価をいただいているほか、プログラムに参加した子どもたちからも以下のような声をいただいています。

子どもの声

・講義を聞くだけでなく、ワークを行いながらお金のことが学べて楽しかった。
・将来一人暮らしをしたいから、生活費の内訳をワークでやれて良かった。
・お金の使い方がわかるようになりました。貯金をしようと思いました。
・今まで知らなかった「将来のための投資」ということを学ぶことができた。
・聞いたこともない名前の会社の給料が高くて驚いた。

本事業で提供する講座を通して、進学資金を効率・効果的に活用するスキルを身につけてもらい、学習の機会を着実なものにしていくとともに、その後の人生においても習得した知識を生かすことで、生まれ育った環境に関わらず、より自由に生きることができる子どもたちを増やしていくことを目指します。

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