岐阜県可児市の多文化共生フェスティバルに参加しました

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2025年10月26日、岐阜県可児市で開かれた多文化共生フェスティバルin可児2025に、認定NPO法人Living in Peace(以下LIP) が「進路相談」ブースを出店しました。多様な文化的背景をもつ子どもたちに過去の自分を振り返るチャートを書いてもらいながら、どんな未来をつくっていきたいかを共に考えました。

進路相談ブースを出店

市内外に電子部品や自動車用品の工場が集積する可児市には、日系ブラジル人や日系フィリピン人の家族が多く住んでいます。子どもたちの進路やキャリア選択にはさまざまな課題があり、教育現場で模索が続いています。より若年層への支援アプローチを模索していたLIP難民プロジェクトは昨年末、可児市を訪ねて学びを深め(可児市多文化共生センター訪問レポート「地域の外国ルーツの子どもたちの現状と課題を考える」 – 認定NPO法人Living in Peace│すべての人に、チャンスを。(リビングインピース)、今回はフェス開催に合わせての再訪で、子どもたちと直接向きあうことができました。


可児市で小中学校、高校に通う子どもの中には、日本生まれで会話に困らない人もいますが、来日してまだ数カ月という人もおり、将来の進路や仕事について考えるキャリア支援が不可欠です。進路相談ブースでは、これまでの歩みを振り返る「ライフラインチャート」を描いてもらいながら、日々の楽しかったことや困りごと、これからやりたいことに耳を傾けました。

 

ブースには小中高生ら30人が訪れました。楽しそうに運動会の話をする女の子、集中して家の絵を描く男の子など、小学生は無邪気な様子で、楽しんでくれました。中高生は、紙に向かって人生を振り返り始めると真剣な様子になり、物憂い考えこんだ様子をみせる子もいました。支援者らによると、来日して数カ月の中高生は、生活習慣の激変と、漢字だらけの授業についていくのが難しいケースもあるようです。高校卒業後は地元の製造業に進む子が多いのですが、進路を尋ねると口ごもる生徒は少なくなく、どんな未来に進むのか果たして未来は選べるのか、思い悩んでいる様子がうかがえました。

可児市は来日したての児童生徒向け教室を設置して、日本語や数学のほか、学校生活のルールを教えています。またポルトガル語やタガログ語の通訳を学校に配置して、手厚い教育支援をしています。岐阜県も来日後3年以内の外国ルーツの生徒を対象に、県立高入試で理科社会の試験を免除するなど、対策を講じています。しかし大学入試のハードルは高く、割高な学費も壁となります。高等教育には親の理解も必要で、子どもたちは夢や希望を持ちつつも、高校卒業後は多くの選択肢をもちにくいのが実情です。

LIPはこれまで主に大学生向けの就職支援を行ってきましたが、多文化共生フェスを通じて出会った可児市の中高生から、多くの課題を学びました。この経験をもとに今後、若年層への支援拡大を目指し、アプローチを模索していきます。

 

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