11月度おしごとリップ開催

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私たちLiving in Peace(以下、LIP)は、児童養護施設で生活する中高生に、世の中の様々な仕事を知ってもらう機会としてキャリア教育「おしごとリップ」を行っています。

関西おしごとリップ

11月16日(日)、第6回「おしごとリップ」を関西で開催しました。今回のテーマは「自然の恩恵を使う農業」。カネコ種苗株式会社の森木さんを講師にお迎えし、子どもたちと一緒に種苗会社の仕事について学びました。

プログラムは、まず4種類のサツマイモ(鳴門金時・べにはるか・栗かぐや・シルクスイート)の食べ比べからスタート。甘さや食感、色の違いを評価し、一番人気はシルクスイートでした。品種によって味や特長が異なることを体験した後、種苗会社の役割についての講義が始まりました。

森木さんからは「品種改良には平均10年以上かかるため、未来を想像して今の仕事をすることが大切」とのお話がありました。種苗会社は農家に安定して種や苗を供給し、より良い品種を生み出すことで食卓を守っています。ブリーダーが根気強く植物を選び続ける姿勢や、それを支える研究開発の重要性を知り、子どもたちは「食べ物が多くの人の努力で支えられている」と実感しました。

ワークでは、地球温暖化による農作物への影響を踏まえ、10年後に必要とされるサツマイモの品種を考える活動を行いました。沖縄と北海道のチームに分かれ、それぞれの地域課題を想定しながら未来の品種改良を提案。これまで個人発表が中心だった子どもたちが、グループで意見をまとめて発表できるようになったことは大きな成長でした。

最後に森木さんは「未来を想像して逆算して生きることは人生にも通じる。興味を持ち、体験し、どんな意見も尊重する気持ちを持って、そこで得たアイデアを大切にしてほしい」と温かいメッセージをくださいました。

子どもたちからは「品種改良は10年先を考える大変な仕事だとわかった」「種苗会社と農家の信頼関係で私たちの食卓ができていると思った」「食べ物は多くの人の努力で支えられていると感じたので好き嫌いなく食べようと思った」といった感想が寄せられました。

東京おしごとリップ

関東では11月23日(日)に「おしごとリップ」を開催しました。筑波愛児園とクリスマス・ヴィレッジから9名の子どもたちが参加しました。今回の講義内容は「社会サービス」。LIPメンバーの北嶋耶絵さんが今年7月に関西で行った講義を、関東でも実施いたしました。

講義では「少しでも社会をよくする、変える」ことと「利益を得る」ことを両立するソーシャルベンチャーの仕事から、社会問題とそれを解決するための仕組み作りを学びました。

生活をしていく中で必要となる学校や病院も社会サービス。生活を便利にするだけでなく、困っている人・悩んでいる人に手を差し伸べられる仕組みが様々な形で提供されています。

子どもたちの身の回りにある「社会サービス」はどのようなものがあるのか、そしてそのためにどのような人や団体が動いているのかを説明いただきました。

北嶋さんの会社では「貧困問題」と「食品ロス」の社会課題に対し、生産者や食品メーカーから余剰商品等を購入し、こども食堂やひとり親世帯に食品を提供しています。

子どもたちは身近な”食”の問題について、食品ロスの量や実際に提供された食品の量に驚きながらも、社会課題やそれを解決するための仕組みづくりを学んでいました。

ワークでは社会サービスが考えられる仕組みを体験するため、子どもたちの身近な困りごとを挙げ、それを解決するための仕組みを考えました。

まずはじめに、個人ワークとして「学校生活で”困っていること”」を考えました。校則や周りとの関係性、集中力が無いなど、子どもたちがそれぞれ自分の考える困りごとを挙げ、グループ内で共有しました。

グループワークでは挙げられた困りごとの中から共通することを1つ挙げ、具体的にどのように解決するアイデアを考えました。表面的に困りごとを解決するアイデアから、実際になぜそれが出来ていないのか?という点から実現するための仕組みを検討しました。

実際に、「学校内で食べ物を購入することが出来ない」という困りごとに対して、運営にはお金がかかる・場所がないことが購買がない原因と考え、キッチンカーや周りのスーパーから食品ロスにつながる商品を提供してもらう、といったアイデアを出していました。

最後に身の回りの困りごとに対してグループで出し合った意見をまとめて解決策を発表しました。自分が経験している困りごとだからこそ考えられるアイデアや、複数人で話すことで解決策をまとめられるプロセスを体験することで、自分自身が何かを変えることが出来るという意識を持ってもらえればと思います。

<子どもたちからの感想> ※一部抜粋

  • 困っていることはたくさんあるけど、その解決方法を考えるのが難しかった。
  • 「誰かのため」と仕事を出来たら良いなと思った
  • 社会問題は意外にも身近で自分たちにもできることがあることにきづいた
  • 今回の発表はみんなの意見をまとめるのが案外できたので次回からはみんなの意見を汲んで自分の意見を混ぜつつ詳しく説明できるように頑張りたい。

生活をしていく中である”身近な困りごと”が”社会をよくするヒント”につながるということを、子どもたち自身に感じてもらえていればと思います。 

寄付者の皆様のご支援が、このような学びと成長の場を実現しています。未来を担う子どもたちが、自分の可能性を信じ、社会の仕組みを理解するきっかけを得られることに心から感謝申し上げます。ぜひお知り合いにも活動を共有いただければ幸いです。

今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

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