
Living in Peaceの「お金の教育事業」では、社会的養護下の子どもたちが今後の人生に必要なお金の知識を身につけ、生まれ育った環境に左右されず、より自由に生きられるようになることを目指して、お金の教育講座を行っています。この講座は、子どもたちが将来に向けて金融知識を身につけ、経済的な自立を目指せる力を育むための取り組みです。
2025年度からは、より多くの子どもたちに学びの機会を届けるために、ウェビナー形式での講座を開始いたしました。
今回は、第3回(ウェビナー版)「家計簿をつけてみよう」を開催しました。
子ども達には一人暮らしの生活を想像してもらい、どんな支出が多いのか、どうすれば収支をプラスにできるのかを考えながら、日々の生活に直結するお金の使い方を学んでいただきました。
講座の内容
家計簿は、日々のお金の流れを把握するために欠かせないツールです。
しかし高校生のうちは、一人暮らし後の収入や支出を具体的に想像することが難しく、現実的な家計簿を作ることができない場合もあります。その結果、自立後に毎月の収支が赤字になってしまうリスクもあります。
そこで本講座では、収入・支出クイズ/家計管理シミュレーション/大学進学シミュレーションを通じて、高校卒業後の生活をリアルにイメージしながら家計を考える機会を設けました。
1. 収入・支出に関するクイズ
家計簿を作成するためには、正しい金銭感覚を持つことが必要であることから、
収入及び支出に関するクイズを交えながら、子ども達に高校卒業後の平均的な初任給や、家賃、光熱費、通信費を学んでもらいました。

2. 家計管理シミュレーション
続いて、一人暮らしを想定した家計簿づくりに取り組みました。
平均的な初任給を収入とし、家賃・光熱費・通信費・食費・被服費・交通費・娯楽費などの支出項目を考えながら、実際の家計簿を作成してもらいました。
「収入 − 支出 = 貯蓄」という考え方を通じて、お金の使い方のバランス感覚を学びました。

3. 大学進学シミュレーション
大学進学を希望する子どもたちに向けては、奨学金・授業料・アルバイト収入などをもとに、4年間の大学生活の収支をシミュレーションしました。
家計簿を通して、自分の将来をよりリアルにイメージし、将来設計を考えるきっかけとなりました。

子どもたちの感想
参加した子どもたちからは、次のような感想が寄せられました。
- 格安SIMにすることで月間6000円の通信費の節約になることを知りました。
- 家賃や食費に関しては、個人の価値観が大きく出ると感じました。
- 収入を増やすことより、節約をして支出を減らす努力をした方が簡単に手元に残るお金が多くなるという話が印象的でした。
- 家計簿アプリを知ることができて良かったです。
施設の先生方からも、「子ども達には新鮮な知識だったようで、ちゃんと関心をもって聞いていました。進学シミュレーションに興味を示していたため、今後の進路の話や生活について、シミュレーションを基に話ができるなと思いました」といったお声をいただきました。
皆さまのご支援があってこそ、このような学びの機会を継続することができています。
子どもたちが将来に向けて自信を持ち、安心して社会に踏み出せるよう、私たちはこれからも全力で取り組んでまいります。
今後とも、温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。